電源考察


一般的なDAC基板には、電源基板から電力を供給することがよくあります。
それっていいのだろうか。



図は電源基板にコンデンサを搭載して、そこから配線でDACへ電力を供給している図です。
電源側にも、GND側にも配線のインピーダンスがあり、DACの電力の変動で
電圧が変動することがわかります。
また、コンデンサからDAC間にもインピーダンスがあり、瞬発的な電流変動にも対応できないことがわかります。



DAC基板にコンデンサをおくとどうでしょうか。
DACでの電流変動は、コンデンサが平滑してくれます。
レギュレータ−DAC間には抵抗がありますが、
電流変動をコンデンサが吸収してくれるため、
レギュレータにそこまでの電流応答性を求める必要は低くなります。



最後にレギュレータをDAC近傍に配置した場合。
電源側のインピーダンスはレギュレータが無効化してくれるため、何も考えなくてよくなります。
DAC側にはレギュレータからの電圧がそのまま伝わるため、DACの性能を最大限に発揮することが
できるようになります。
問題はGND側のインピーダンスですが、これだけはどうしようもありません。
DAC IC単体で使う場合にはノイズにはなりませんが、
他のICなどに信号を渡そうとすると、このインピーダンスが邪魔をしてきます。
これがいわゆるコモンモードノイズです。
電源とツイストペアにすればなくなるかというと、どうでしょうか。
電源とGNDにどちらにも同じ電流が流れるなら、インダクタンス成分は打ち消しあってなくなりそうです。
しかし、配線の抵抗分などは残ります。これはDACで電流の変動がある限り、発生し続けます。
パスコンで平滑化してしまえば、けっこう消えてくれそうですが・・・
あとは、差動増幅によって、コモンモードノイズを除去する方法が効果的です。



一番最後のだけコモンモードノイズが発生しているように見えますが、誤解です。
配線が存在する限り、インピーダンスは発生し、コモンモードノイズが生じるのです。

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